私が小学生だった半世紀も前のこと、毎年ひな祭りが近ずくと、器用だった下の姉を中心に三姉妹で一緒に紙でお雛様を作ったものでした。白い画用紙で顔の形にくりぬき、色々な色の折り紙や千代紙を使って着物の襟を重ね、内裏様、右大臣、左大臣、三人官女、五人ばやし、泣き上戸、怒り上戸、笑い上戸。橘や桃の花、ぼんぼりも作った記憶があります。50冊ある少年少女文学全集をひな壇のように重ね、上に赤い毛氈を敷き、段飾りにしたのでした。ひな祭りが過ぎると流し雛ではないけれど捨て去り、次の年はまた新たに作りました。昔々の風習を知らずに踏襲していたのですね。
我が家にあるお雛様は私の両親が娘に買ってくれたものです。この内裏雛はイギリスでも飾りましたし、アメリカにも私たちと一緒にやってきて、毎年飾っています。娘はもう私たち親とは一緒に暮らしていませんが、ひな祭りが来ると、クローゼットから出して飾ります。一年に一度は日の目を見せてあげないとかわいそうな気がして。
きっと娘は覚えていないでしょうが、ひな祭りにはいちごのショートケーキを作ったものでした。最近いちごのショートケーキは作っていませんでしたが、今年は何だか無性に食べたくなり、ジュリア・チャイルドのレシピで久しぶりに作りました。このところ、めっきりいちごも甘くなり、スポンジケーキもふわふわでとても美味しく出来ました。生クリームにはキルシュも少々入れました。
バター・スポンジケーキ
レシピ:Julia Child 「Mastering the Art of French Cooking」より
材料(22.5センチの丸いケーキ型) 約10人分(私は15センチの型ですべて半量で作りました。)
バター 55g
たまご 4個 黄身と白身に分ける
砂糖 110g と大匙2
ヴァニラエッセンス 小さじ2
塩 少々
小麦粉 100g ふるいにかける
1.オーブンを175度C(350度F)に温めておく。
2.型 にバターを塗り粉をはたいておく。(分量外)
3.バターを溶かして冷ます。
4.卵の黄身に砂糖110g を少しずつ入れながら泡立てる。泡だて器ですくってたらした時にきれいなリボンのようになるまで泡立てる。ヴァニラエッセンスを入れる。
5.卵の白身に塩少々入れて硬く泡立てる。砂糖大匙2を入れて混ぜる。
6.卵の黄身と砂糖の中に5の白身を1/3混ぜる。完全に混ぜないうちに粉の1/3を入れてかき混ぜる。これを白身と粉がなくなるまで繰り返す。(白身の泡がつぶれないようにゴムベラで手早く、切るように混ぜる。決してかき混ぜすぎないように注意する。)
7.バターを半分入れかき混ぜ、更に残りを入れる。(白いミルキーの部分は入れない。)
8.型に流し、オーブンの中段に入れ、30-35分焼く。
9.竹串を中央に挿して何もついてこなかったら出来上がりなので、オーブンから取り出し、そのまま6-8分置く。
10.ケーキが少し縮んだら、ナイフを型とケーキの間に入れて、ケーキラックの上に取り出し、完全に冷ます。