最初に鴨のローストのオレンジソースを食べたのは結婚した年、1978年のクリスマス近くでした。当時東京で一番美味しい鴨のローストを食べさせるというお店に夫と二人で出かけました。レストランの名前はもう忘れてしまいましたし、確か予約もせずに訪れたのではと思います。なぜなら、当時は数人以上でなければ予約することは稀でした。ところが、当日は大きなパーティー客が入っており、私たちの料理は後回しになり、サーヴィスがとても遅かったのを覚えています。
お店の方は丁重に謝って下さいましたが、こんな大勢のパーティーがある時は他のお客は取らなければ良いのにと思い、肝心の味の方はさっぱり覚えていません。
次の年、イギリスに住み始めた私たちは見よう見まねでクリスマスにオレンジ風味の鴨のローストに挑戦しました。鴨から出る脂をうまく処理できなくて、上出来とは言い難いものでした。
それから数年後、アメリカの東海岸に住むようになったのですが、鴨は丸のままも、胸肉もその辺のスーパーには売られておらず、長いこと鴨から遠ざかっていました。
カリフォルニアに住むようになって、日本のスーパー、ニジヤさんで見つけた鴨のマグレ。それがとても美味しくて、以来かなり頻繁に我が家の食卓に登場するようになりました。
さて、夕べはたまたま買ってあったオーガニックのオレンジを使って、鴨のマグレにオレンジソースを合わせました。普通オレンジソースはキャラメルソースを作ってからワインやオレンジリカー、オレンジジュースなどと合わせるようですが、鴨をソテーした同じフライパンでそのままソースを作りました。
砂糖の代わりにメープルシロップを使いましたので、幾分さっぱり味に仕上がったと思います。オレンジの香りの良い美味しく洒落た一品ですので、バレンタインデーなどちょっと特別な日のためのディナーにぴったりです。
合わせたサラダは、マンゴー、アボカド、グレープトマト、香菜のみじん切り。プレーンヨーグルトとオリーブオイルのドレッシングです。
鴨のマグレ オレンジソース
材料(一人分)
鴨の胸肉 1枚
塩、胡椒
オレンジ 1個 2/3はセグメントにし、残りはジュース
オレンジの皮(無農薬かオーガニックのもの) 1/3個分 千切り
エシャロット 小1個
メープルシロップ 大さじ1
赤ワイン 100ml
チキンストック 50ml
バルサミコ酢 大さじ1
オレンジジュース 半個分
1.鴨は余分な脂と皮を取り、皮目に細かく十字に切り込みを入れる。
2.非常に熱くしたフライパンに塩胡椒した鴨を皮目から入れる。皮がカリカリになるようにやや強めの弱火で6分、ひっくり返して3分焼く。
3.鴨を皿に取り出し、アルミホイルをかけておく。
4.同じフライパンで(小匙2の脂分を残したまま)エシャロットのみじん切りをソテー、メープルシロップ、赤ワイン、チキンストック、バルサミコ酢を入れ、2−3分煮詰める。オレンジジュース、オレンジの皮、鴨から出た肉汁を入れ、さっと煮立てる。
5.鴨を削ぎ切りにして扇状に皿に並べ、オレンジソースを上からかけ、オレンジのセグメントを並べる。
鴨の焼き具合がお好みのものになるように、ご注意ください。生焼けでも熱いソースをかけると火が通ります。鴨を切った状態で丁度良い焼け具合でしたら、ソースはあまり熱々をかけないで下さい。
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